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縁起を担ぐ
一粒万倍日とは?
最近、よく耳にする「一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)」。縁起の良い日として雑誌やSNSなどでも紹介され、注目を集めていますが、そもそも「一粒万倍日」とはどのような日なのでしょうか。また、具体的にどんなことをすれば運気が上がるのでしょうか?一粒万倍日にした方が良いこと、逆に避けた方が良いことについてもご紹介します。
一粒万倍日、なぜ縁起が良いの?
古くから日本人は米などの農作物の豊作を願って、独自の暦を活用してきました。暦は干支や月の満ち欠け、季節の変わり目などをもとに作られ、もともとは農作業をスムーズに進める上での目安とされてきましたが、次第に生活全般の吉凶を決める基準としても用いられるようになりました。このため、今も日本の暦には稲作や農業に由来する項目が多く残っています。
暦には、その日の吉兆を判断するための「暦注(れきちゅう 暦上の注意事項)」が書かれており、現在でも行事やイベントの日取りを決める際などに活用されています。一粒万倍日も「暦注」の一つで、とても縁起が良いとされる日。毎年、二十四節気(立春や夏至など)と干支の組み合わせなどをもとに、年間60日ほどが「一粒万倍日」に選ばれます。一粒万倍日がなぜ縁起の良い日とされているかというと、この日は「一粒が万倍になる日」、つまり一粒の種モミから稲穂が育って何万ものお米を収穫できるように、小さな元手から大きな実りが得られる日だと考えられているからです。このため、一粒万倍日は「何か新しいことを始めるのに最適な日」とされてきました。
するといいこと、
避けた方がいいことは?
では、一粒万倍日には具体的にどのようなことを始めると良いのでしょうか?
最も良いとされているのが、お金にまつわること。たとえば、一粒万倍日に貯金や投資を始めると、将来的に大きなリターンが得られると信じられてきました。このほか、新しい財布を買う・使い始める、宝くじを買う、口座を開設するのにも最適な日だと言われています。
また、「幸せが年々大きくなりますように」との願いから、一粒万倍日は結納や結婚式、入籍の日取りとしても人気があります。新規開業や事務所開設、勉強や習い事など、将来の成功を願って何かを始めるのにもぴったりの日とされています。
逆に一粒万倍日に避けるべきとされているのが、お金や物を借りること。この日にお金や物を借りると、それがたとえ少額であっても、時とともに大きな負債になってしまうと考えられているからです。同じく避けたいのが、ケンカや揉め事。たとえ小さな言い争いであっても、後々まで尾を引く大きなトラブルに発展しかねないと言われています。
つまり、良きにつけ悪しきにつけ、一粒万倍日に行ったことは後々、自分自身に大きな影響を与えるということ。科学的な根拠はありませんが、昔の人は「何か始めるにふさわしい日・ふさわしくない日」を設けることによって、軽はずみな行動を起こさないように自らを律し、慎重な判断をするように心がけていたのでしょう。
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他にもある!
縁起の良い日をチェック
日本の暦には、一粒万倍日以外にも「縁起が良い」とされる日がいくつかあります。ここでは、一般的によく知られている「縁起の良い日」とその意味をご紹介します。
2023年下半期は
8月4日(金)が最強の開運日!?
このように、暦の上では意外と頻繁に吉日(縁起の良い日)があるなかでも、お金にまつわることを何か始めるにあたって、縁起を担ぐには「一粒万倍日」がぴったりなのではないでしょうか。前述の通り、一粒万倍日は月に5回、年間60回ほどありますが、そのなかで何回かは一粒万倍日と他の吉日が重なる開運日があり、特に一粒万倍日と並んで縁起が良い「天赦日」と重なる日は最強の開運日と言われています。2023年に一粒万倍日と天赦日が重なるのは、1月6日(金)、 3月21日(火祝)、 8月4日(金)の3日。そのうち8月4日(金)は大安にも当たるので、暦の上では本当に縁起の良い注目のラッキーデーということになります。通常の一粒万倍日に加え、縁起の良い日・何かを始めるのに良い日としてチェックしておきたいですね。
もちろん、「一粒万倍日」をはじめ暦上の吉凶には科学的根拠はないので信じるかどうかは自分次第ですが、暦は千年以上の永きにわたって私たち日本人の暮らしに寄り添いながら変化し続けてきたものであり、その意味で先人たちの知恵の結晶という一面も。投資や貯金などお金にまつわる何かを始める際の判断材料の一つとして、覚えておく価値は十分にありそうです。
参考文献:令和5年神宮館高島暦/高島易断所本部編纂
※掲載商品は原寸大ではありません。
参考文献:令和5年神宮館高島暦/高島易断所本部編纂
※掲載商品は原寸大ではありません。