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パワーカラー「金色」の
魅力に迫る
古来、神や太陽を表す特別な色として使われてきた金色。金は錆びることがなく、永遠に美しい色と輝きを保つことから、金色は「生来不変の色」、すなわち「生色(しょうじき)」とも呼ばれ、古くから美術工芸や装飾に多く用いられてきました。今回は、金の色としての魅力にクローズアップ。その種類や効果、活用例をご紹介します。
金色、いろいろ
金色には、いろいろな呼び名があります。貴金属の「金」そのものを指す呼び名もあれば、明るい黄色を「金」にまつわる名前で表現した呼び名も。印刷などに用いられるカラーチャートではそれぞれ次のように違う色として表現されます(※1)。
黄金色(こがねいろ)
銀の和名(古い時代に使われていた呼び名)「白金(しろがね)」に対して、金は「黄金(こがね)」と呼ばれることも。一般に黄金色とされる色は、「黄金色の稲穂が実る」と言われるとおり、赤みのある濃い黄色のことを指します。
稲穂のように光輝く華やかな黄色。
金糸雀色(カナリアいろ)
「金糸雀」は、カナリアの和名。カナリアは18世紀に日本に持ち込まれ、その羽根に似た少しくすみのある黄色を「金糸雀色」と呼ぶようになりました。カナリア色というとサッカーブラジル代表のユニフォームが有名ですが、海外のカナリア色(canary yellow)は金糸雀色より少し濃い目。これはカナリアの品種改良が進み、日本に伝わったときよりも鮮やかな色になったからだと言われています。
カナリアの羽根のように、少しくすんだ黄色。
山吹色(やまぶきいろ)
春の終わりに咲くバラ科の植物「ヤマブキ」の花の色のように、やや赤みのある鮮やかな黄色のこと。輝くような華やかな黄色が古くから日本人に愛され、平安時代には貴族の衣装にも採用されていました。また、金色に似ていることから、江戸時代には「山吹」が黄金や大判小判を指す隠語としても使われていたようです。
ヤマブキの花のように鮮やかな黄色。
鬱金色(うこんいろ)
しょうがの一種・ウコン(ターメリック)の根の色。和名の鬱金の「鬱」には「生い茂る」という意味があることから縁起の良い色とされ、財布や風呂敷の色として人気があります。また、ウコンには抗菌作用や防虫作用があると言われ、かつてはウコンで染めた木綿を産着に使う習慣も。たくあんやカレー粉など食用の着色剤としても使われます。
ウコンの根のように濃くて力強い黄色。
※1 参照:「色の名前事典507 日本の色と世界の色のすべてがわかる」福田邦夫・著/主婦の友社
※写真はカラーのイメージです。
いろいろな金色が
楽しめるカラーゴールド
貴金属の金は銀や銅など他の金属を混ぜると、色調が変化します。この性質を利用して、いろいろな金色を楽しむカラーゴールドのジュエリーが作られています。どのような色調の金色がどうやってできるのか、みていきましょう(※2)。
※2 参照:『コツコツためる「金・プラチナ」』池田 収・著/ダイヤモンド社
- ※カラーゴールドの配合比率は代表的な例になります。
- ※ギンザタナカでは、グリーンゴールド・レッドゴールド・ホワイトゴールドの商品のお取り扱いはございません。
金色の効果とは?
カラーセラピーの世界では、金色は「相手に特別感を持たれる色」、「豊かな気持ちにさせてくれる色」、「自分に対して自信を持たせてくれる色」、「意欲的な気持ちにさせてくれる色」とされています。歴史上の権力者たちが好んで金の装飾品を身に付けたのは、単に富や権力を誇示するためだけでなく、プレッシャーに打ち勝って自信を持ち続けるためでもあったのかもしれません。
江戸幕府の将軍家・徳川家も金を好んだことで知られ、東京・上野には3代将軍・徳川家光が1651年に徳川家康をまつる神社として建立した、その名も「金色殿」という建物が現存しています(正式名称:上野東照宮社殿※3)。その名の通り、きらびやかな金色に彩られた金色殿は、家康が眠る日光までお参りに行けない江戸庶民のために日光東照宮を模して造られたもので、江戸時代には広く庶民に公開されていました(現在は通常非公開)。実はこの金色殿、「家康の強運に守られている」と言われるほど、運のいい建物。幕末にはすぐ近くの寛永寺の伽藍が焼失する上野戦争が勃発しましたが、金色殿には火の手は及びませんでした。大きな被害をもたらした関東大震災でも倒壊せず、第二次世界大戦では金色殿のすぐ裏に焼夷弾が落とされましたが、幸いにも不発弾だったため、またもや焼失を免れました。確かに江戸初期に建立された金色殿が数々の戦争や災害を乗り越え、ほぼそのままの姿で現存することは奇跡的なこと。この強運ぶりから、金色殿は家康の強運にあやかることができる「パワースポット」として知られ、地域の文化イベントなどにあわせて特別公開される日には、全国から大勢の人が訪れます。きらびやかな金色殿は家康+金色の2つのパワーに守られた、特別な場所なのかもしれません。
※3 参照:上野東照宮ホームページ https://www.uenotoshogu.com/spot/
金色殿(上野東照宮社殿)/1651年造営、国指定重要文化財。
金色のパワーで運気が上がる!?
中国に伝わる思想「風水」でも、金色は特別なパワーを持つ色として大切にされています。風水において金色は金運に影響する色とされており、相性の良い方角は西。よって、風水では「西の方角に金色の置物を置くと、金運が上がる」というのが、定説となっています。置物のモチーフとしては、竜や干支の動物が人気なのだとか。風水は科学的な根拠に裏付けられたものではないので、信じる・信じないは個人の考え方次第ですが、美しく輝く金の置物があると室内の雰囲気が明るくなり、気持ちよく過ごせるという人は多いのではないでしょうか。皆さんも、金色のパワーを味方につけて、より心豊かに毎日を過ごしてみませんか(※4)。
※4 参照:「幸せになる!風水の間取りとインテリア」直居由美里・監修/成美堂出版
純金オブジェ「うさぎ(卯)」